日本クレジットカウンセリング協会とは?任意整理ならまずは相談
借金の返済が厳しくなり、債務整理について検討し始めたときに、目につきやすいのが「日本クレジットカウンセリング協会」です。
「任意整理を無料で行ってくれる団体」という説明に心惹かれつつも、「なんとなく怪しい…」と不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
日本クレジットカウンセリング協会とは具体的にどのような団体で、本当に無料で任意整理できるのでしょうか。注意点や条件など、気になるポイントを解説します。
次のようなお悩みがあるならぜひ参考にしてみてください。
- 自分でも任意整理できる?日本クレジット協会の相談事例が知りたい
- 日本クレジットカウンセリング協会の評判ってどんな感じ?
- ギャンブルでの借金でも日本クレジットカウンセリング協会で助けてもらえる?
詳しく見ていきましょう。
Contents
日本クレジットカウンセリング協会とは?目的や設立の経緯
日本クレジットカウンセリング協会は、昭和62年3月に設立された、歴史ある公益財団法人です。
その目的は、複雑かつ多様化した社会情勢の中で、消費者信用に関わる悩みを解決すること。クレジット契約やローン契約が一般的になった今、多重債務問題を抱えてしまう事例も決して少なくありません。
お金の問題が発端となって発生する社会問題を予防すること、そして多重債務問題の渦中にいる人々の家計を立て直すことを、大きな目的としています。
こうした問題を解決するために、設立・維持されているのが日本クレジットカウンセリング協会というわけです。
平成14年4月には、金融庁と経済産業大臣の認可を得て、新たに消費者金融業界や銀行業界との協力体制を実現。クレジット業界だけではなく、より幅広い金銭問題に対して、カウンセリング・サポートを実施できる組織として拡充されました。
クレジットやローンは、もはや私たちの生活になくてはならないもの。だからこそ、問題を抱えた方をサポートできる日本クレジットカウンセリング協会が持つ意味も、非常に大きくなっています。
日本クレジットカウンセリング協会が行っている取り組み3つ
では日本クレジットカウンセリング協会は、具体的にどういった活動を行っているのでしょうか。協会の活動内容は、主に以下の3つに集約されます。
1.借金返済に関わる無料相談
日本クレジットカウンセリング協会では、借金の返済で困っている人に向けて「多重債務ほっとライン」を運営しています。
※月曜~金曜の午前10時から午後12時40分、午後2時から午後4時40分
相談料は無料で、債務に関わる内容であれば、何でも自由に相談できます。相談するのに、何か特別な条件をクリアする必要はありません。
相談の結果、何らかの支援が必要と判断された場合には、より適切な機関を紹介してもらえます。
- 借金返済で困っているが、相談先がわからない
- 専門家に相談するべき状況なのか、判断できない
- 多重債務で苦しんでいるが、まず何からすれば良いかわからない
このような場合にも、適切なアドバイスをもらえるでしょう。
2.家計カウンセリングの実施
多重債務ほっとラインの電話相談で、「より踏み込んだ支援が必要」と判断された場合には、家計カウンセリングを受けられます。
最寄りのカウンセリングセンターや相談室にて、専門家のカウンセリングを受けられます。
- 家計や生活について
- 債務の返済について
- 返済できない借金を整理する方法について
- 司法手続きについて
これらの内容について、電話相談よりもさらに踏み込んで相談に乗ってもらえるでしょう。家計の立て直しに役立つはずです。
相談に乗ってくれるのは、弁護士会推薦の「弁護士カウンセラー」や、消費生活アドバイザー・臨床心理士といった専門的資格を有する「アドバイザーカウンセラー」です。
もちろんこちらも無料で利用できます。
カウンセリングの詳しい流れなどは、こちらも参考になりますよ!
3.任意整理のサポート(無料)
家計カウンセリングを実施した結果、「任意整理が適当」と判断された場合、協会が無料で任意整理をサポートしてくれます。
任意整理をする場合、
- 取引履歴の開示請求
- 引き直し計算
- 和解案の作成
- 金融業者との和解に向けた交渉
- 和解内容をもとに合意書の作成
といった作業が必要になります。
日本クレジットカウンセリング協会に任意整理を依頼すれば、これらの作業をすべて無料で行ってもらえます。
日本クレジットカウンセリング協会利用でかかる費用
任意整理をする場合、日本クレジットカウンセリング協会に相談するメリットは、非常に大きいと言えるでしょう。
とはいえ、「本当にすべて無料で利用できるのか?」「後から何か別の名目で費用を請求されるのでは…」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
日本クレジットカウンセリング協会が提供しているサービスは、どれも基本無料で活用できます。必要な費用について、強いて挙げるのであれば、以下の2つでしょう。
- 電話相談時の電話代
- 最寄りのセンター・相談室までの交通費
多重債務ほっとラインを利用する場合、相談料は無料ですが、電話料金は相談者負担です。公衆電話を除いて、市内への電話と同じ料金で利用できます。
また、電話相談から一歩先へと進むためには、最寄りのカウンセリングセンターや相談室に出向く必要があります。
この際に発生する交通費も相談者負担です。「最寄り」とはいえ近県に相談場所がなければ、交通費の負担額もばかになりません。
無料で任意整理するための手順と注意点
日本クレジットカウンセリング協会を利用する最大の目的は、やはり「無料でできる任意整理」でしょう。
とはいえ、誰でも自由に、日本クレジットカウンセリング協会に任意整理を依頼できるわけではありません。希望者は、以下の手順で話を進めていく必要があります。
- 多重債務ほっとラインに電話相談する
- カウンセリングセンターや相談室で本人がカウンセリングを受ける
- 「任意整理が適当」と認められた場合のみ、任意整理に進む
たとえば、弁護士事務所に任意整理を依頼する場合、相談から依頼まで非常にスピーディーに話を進めていけます。
一方で、日本クレジットカウンセリング協会の場合、時間はかかっても一定の手順を踏む必要があります。またそれぞれの段階で、「日本クレジットカウンセリング協会での対応が適当」と認められる必要があるのです。
「最初からカウンセリングセンターで相談したい!」という希望も、受け入れられません。手順に沿って話を進めていくことが大切です。
日本クレジットカウンセリング協会で任意整理する場合の注意点3つ
日本クレジットカウンセリング協会で任意整理する場合、以下の点に注意しましょう。「こんなはずじゃなかった!」とならないため、事前に知っておきたいポイントをまとめます。
日本クレジットカウンセリング協会で任意整理を行う場合、自分の好きな弁護士を希望することはできません。担当者は自動的に決定されるため、相性が合うかどうかは運次第とも言えるでしょう。
無料相談から無料の任意整理へと進むためには、センターや相談室にて行われる家計カウンセリングへの参加が必須です。また相談までであれば本人以外でも可能ですが、カウンセリングは原則として本人が来所しなければいけません。ただし「身体が不自由で本人の来所が難しい」といった事情がある場合、代理人による相談も可能に。この場合、診断書や委任状を用意しましょう。
日本クレジットカウンセリング協会で手続きを進めていく場合、電話相談やカウンセリングなど、平日の昼間に対応する必要があります。一般の弁護士事務所や司法書士事務所と比較すると、自由度は低め。昼間に時間が取れない人は、注意してください。
これらの注意点を把握した上で、どこに任意整理を依頼するのか、総合的に判断するのがおすすめです。
任意整理を検討するなら日本クレジットカウンセリング協会に注目
借金返済で困ったときに、債務整理は強い味方になってくれるでしょう。その中でも任意整理は、比較的ハードルの低い手続きと言われています。
- 任意整理が気になっているものの、メリットがわからない
- 自分に合った債務整理がわからない
- 任意整理したいが、専門家に支払うお金が用意できない…
このような悩みを抱えている場合には、日本クレジットカウンセリング協会にも注目してみてください。無料の電話相談を活用すれば、解決に向けた道筋も見えてくるのではないでしょうか。
無料で任意整理できれば、その後の家計の立て直しもしやすくなります。借金問題の解決に向けて、具体的な行動を開始してみてください。